A02-KB107 ヒト胎児脳神経系、骨格器系の多元計算解剖学的解析

From Multidisciplinary Computional Anatomy
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メンバー

  • 研究代表者
    高桑 徹也(京都大学・教授)
  • 連携研究者
    山田 重人(京都大学・教授)

概要

私たちは、世界最大のヒト胚子コレクション(Kyoto Collection)由来の立体情報(MRI, 位相CT等)を用いて、ヒト器官形成期(約5-10週)の諸器官の形態形成についてデータを蓄積、報告し一定の成果をあげている。これらは、諸器官についての立体的形態と計測を中心に基礎的なデータを蓄積したものである。同手法は、上記の古典的な組織形態学的アプローチの限界を回避でき、全身を網羅的に観察することを可能にした。次の段階として、多元計算解剖学的手法を加え解析を進めることとした。具体的には、脳神経・感覚器系、四肢骨格器系等の領域を主たる解析対象とし、諸器官の位置や形状のみならず,トポロジー特徴や機能特徴なども対象に標準化像の作成、また、各個体像までの偏差も含めた経時的変化を表現するモデル化を行う.さらに経時的変化をシミュレーション(予測)する。該当器官系の形成異常個体(神経管閉鎖不全、耳介低位、小眼症、骨形成不全、多肢症等)についても立体画像取得を行い、比較検討を行う。本研究の特色・独創的な点、意義として、1)世界的にみても唯一無二の大規模ヒト標本群および画像情報であることの貴重性、2) 正確で解析しやすい立体情報(立体可視化、物性情報、定量性)が得られる有用性、3) 立体解剖学的基礎データに基づく妊娠初期胎児診断への応用・展開が可能であるという有益性、4) ヒトの発生学は古典的な形態の記述と計測にとどまっており、ヒト器官形成期においては数理生物学的なアプローチは全く行われておらず独創性、革新性が高い、等が挙げられる。本研究では、多元計算解剖学的手法を取り入れ、ダイナミックな発生(時間軸)に沿った動きを正確に表現することができる。標準像に偏差を加味することで、異常な個体を抽出できる可能性があり、発生病理学的な検討も可能(病理軸)となる。三次元データの利用環境、コンピュータやソフトウエア等の解析機器はすでにわれわれの研究室に整っている。解析結果は、学術論文の発表の他、データベース化して領域内での利用を可能にする。また、三次元モデルの教育への応用等も期待できる。

概要図

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