領域代表からのご挨拶

From Multidisciplinary Computional Anatomy
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今日、日常臨床で医用画像の果たす役割は益々大きくなっています。近年の先端技術開発は、生体の特徴的構成要素の解明と光の解析技術の発展を促し、可視光による内視鏡や顕微鏡による表面観察から、X線、CT, MRI, PET、共焦点内視鏡、分光内視鏡、超音波検査、特殊染色による病理検査など、臓器や組織の深部観察を可能とし、人体解剖の立体的描出ができるようになってきました。これらの生体情報は画期的な病態の解明や診断技術の向上に役立っているほか、21世紀の内視鏡外科手術やロボット手術などの低侵襲治療の革新に繋がっています。

多元計算解剖学は、これらの最近の医療技術の飛躍的な進歩に応じて、本来生体の構成要素がもつ各種の情報、(1) 細胞レベルから臓器レベルまでの空間軸、(2) 胎児から死亡時までの時間軸、(3) 撮像モダリティ、生理、代謝などの機能軸、(4) 正常から疾患までの病理軸といった種々の軸にまたがる医用画像情報に基づいて、日常臨床に役に立つ「生きた人体の総合理解」のための数理的解析基盤を確立し、早期発見や治療困難な疾患に対する高度に知能化された診断治療法を実現するための数理的諸手法を開拓する新領域です。

従来の形状だけの静的な計算解剖モデルではなく、生きた人体を対象とする多元情報から構築される動的な計算解剖モデル(多元計算解剖モデル)を取り扱うための数理統計的手法を開拓します。従って、本領域は、画像工学、計測工学、データ工学、材料工学、応用数学、物理学、機械工学、生体医工学、医学など広範囲な学問から構成される新しい学術領域を開拓します。

具体的には、新学術領域「多元計算解剖学」を開拓するために、(1) 「生きた人体の総合理解」のための数理的解析基盤の確立、(2) 高度知能化診断治療システム実現のための数理的諸手法の研究、(3)多元計算解剖学の展開の3つの研究項目を設定しています。これら3項目の有機的連携を図るために、総括班を中心に数理支援、融合支援、データベース構築支援、臨床支援、人材育成などのワーキンググループを設けています。

新学術領域「多元計算解剖学」の開拓によって「生きた人体の総合理解」のための新たな数理的解析基盤が確立され、その成果は、多元的かつ膨大な画像情報を扱う、情報学、数理科学、あるいは、生体医工学など関連学術分野へも大きく波及するものと考えています。多くの分野の研究者の皆様と共にこの新しい領域を築いていきたいと考えていますので、本領域の研究会や班会議だけでなく、他分野の皆様との共同研究やセミナー、合同シンポジウムなどへの参加や企画・ご意見を歓迎いたします。皆様のご指導ご支援をよろしくお願い致します。

領域代表 橋爪誠 (九州大学大学院医学研究院)

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